第十二食

12訪れ


最終食

柔らかな陽射しが眩しい。
目をこすり目の焦点が合うのを待つ。
カーテンがゆらりゆらりと揺れる
悪くない空気だ。

体を起こす。車輪のついたベッドが軋む。
ガランとした室内。
1人用の病室なのだろうか。
部屋に入ってきた女が俺を見ると、驚いたように駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか?」
俺はとっさに声が出せず、ただポカンと看護師を眺めた。
「こちら203号室、患者さんが意識を取り戻しました。」

近くに桃が置いてある。
ベッドの横には椅子が一つ。
多分、家族だろう。

一体何をしていたんだろう。
一体何を見たんだろう。

美島京子。僕の彼女

彼女の家族は人食者だ。

しかし、その異常さに気づいた京子は人食をやめ,
平凡な毎日を求めた。
僕はひょんなことからその事実を知ってしまい口封じに殺されることになった。
しかし、使いとして雇われていた殺人鬼、蓮によって僕と京子は脱出寸前までたどり着いた。
だが…
医師が入ってきた。優しそうな表情、白髪の混じった体格の良い男性だ。
最初に名前を言った気がするが、覚えていない。
「いやぁよかった。気分はどうだい?今はゆっくりするといいさ。
また、警察が事情を聞きに来ると思うからそのつもりでね。」

…。
他にも何か喋っているようだが、何も耳に入らない

何を言っているか分からない。

京子…。

「京子…」

もう医者はいなかった。
そういえばさっき出て行った気がする。
再びシーツに潜り眠りにつこうとした頃
先ほどとは別の顔の看護師が入ってきた、目が合うと、そろそろとこっちにやってきた。



「あの…美島京子さんが面会したいと言っていますが、お会いされます?アキラさん」



「…ハハッ」

 

 


《ギロチンとテーブルクロス》 終

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギロチンとテーブルクロス完結編《死刑台》公開未定