第一食

01美島京子


12:00

美島京子の訪問と共にクラスがざわめく。

京子はいわゆる「人気者」なのだが、なんせ相手がこの俺となると皆が頭を抱えたくなるのも分かる。

一緒に弁当を持って中庭へ向かう。

「京子の腕細いなぁ、っていうか最近げっそりしてきたんじゃないのか?」

「ほんと?ちょっとダイエットしすぎたかも」

さらさらの黒髪を耳にかきあげながらへへっと笑う。

しかし活気がない。疲れているのだろうか?

 

「まあ、あんまり体重とかきにしなくていいと思うんだけどな」

そういい唐揚げを口に運ぶ。

「そうねそうするわ」

京子はプチトマトを口に含むと俺の最後の唐揚げを見つめる。

「食べるか?」

唐揚げを差し出すと無意識に見つめていたことに気づいたか、真っ白な顔を赤くして言った。

「っはんぶん、半分下さい」

俺は唐揚げを全て京子の口に詰め込んでやった。

「そういや京子の弁当いつも美味しそうだよなぁ」

「そう?私が作っているのよ。すごいでしょ」

「まじで!?」

「うん朝早くからね」

「ふーん、でも意外だなぁ、だってお前ん家、使用人さんいるんだろ?

弁当もその人たちに作ってもらっているのかと」

やるって言ってくれるのだけどね、趣味だからって断るの」

「そうか」

京子は箸を置くと不意に話しだした。

「私ってさ、比較的裕福な家庭に生まれたからさ、ちょっと人との感じ方、価値観っていうのかな。そういうのが違うことが多いのよね」

「なるほど」

比較的裕福というか金持ちのお嬢様だろうに

「牛や豚はダメなのに、魚は解体シヨーやるんだとか、鹿やイノシシは狩りするのに、猫や犬には動物愛護。唐揚げだって、どうして豚や鳥は殺しても人間は絶対ダメなんだろうってね」

「えっと、宗教の話?」

「倫理観の話」

 

チャイムが鳴った。